19世紀末頃の手術は、手袋をせずに素手で行われていました。
現代人からすると考えられないことですが、当時はコッホやパスツールが細菌を発見してまもない時代でした。
そのため、感染症を防ぐために手指消毒する必要性は知られていましたが、
消毒薬が非常に強力だったので多くの医療者が手荒れに悩まされていました。
ハルステッドの同僚の手術室看護師キャロライン・ハンプトンも強い手荒れに悩まされていて、辞職をしようとしていました。
優秀なキャロラインを失いたくなかったハルステッドは、過度な消毒が必要なく、手の感覚を妨げない手袋の発明に取り掛かりました。
試行錯誤の結果、薄いゴム製の手袋にたどり着き、これが現在世界中で使われている手術用ゴム手袋の原点になりました。
その後、ハルステッドとキャララインは結婚し、69歳で亡くなるまで幸せに過ごしました。
余談
ハルステッドは手荒れ防止のためにゴム製の手袋を発明しましたが、ゴム手袋をつけることで無菌が保てると気づいたのは、しばらく後になってからでした。
医療者の手荒れがよくなって喜んでいたら、手術による感染症が激減。
それにより、世界中へゴム手袋が普及していくことになりました。
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