カブトガニは2億年前から姿を変えていないので生きた化石とも言われています。
カブトガニの血液は銅を含んでいるので青色である事は有名だと思います。

そんなことはカブトガニの血液が、医療に不可欠って知っていましたか。
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エンドトキシンといえばグラム陰性菌の細胞壁中のLPSが成分の細菌の毒素ですよね。
このエンドトキシンが血中に入るとエンドトキシンショックを起こしてしまいます。
血中に入る薬剤とか医療器具に付着しているととても危険ですよね。
グラム陰性菌はどこにでもいるし、エンドトキシンは耐熱性を持っているので、除去することが大変です。
だから、注射剤や医療器具などの血中に入るものはエンドトキシン試験を行う必要があります。
このエンドトキシン試験に使われるLALという試薬はカブトガニの血球抽出物が元になっています。
エンドトキシンとカブトガニの血球抽出物がくっつくと凝集凝固が起こります。
1964年にこの現象が発見され、LALが開発されました。
エンドトキシン試験が行えるおかげで私たちは安心して医療を受けられるのですね。
ありがとうカブトガニforeverカブトガニ。
話は良いことだけではなくて、、、
カブトガニの”献血”によって私達は安全な医療を享受できていますが、カブトガニ側は大変です。
捕獲されたカブトガニは、”献血“後、海にリリースされます。
しかし、採血量はカブトガニの体内血液の30%に相当し、カブトガニ達は採血時に約3%死んでしまいます。
リリース後も、弱っているので約20%は死んでしまいます。
LALをカブトガニを使わずに作ろうと研究されていますが、未だに代替品は開発されていません。
カブトガニ達の犠牲の上に、私達の生活は成り立っているんですね。
以前「19世紀は麻酔無しで手術を起こっていた」という記事を書きました。
麻酔薬からも言えるように医療技術の進歩は日進月歩です。
代替品も早く開発されることを願います。
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しゃーない